30:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 08:04:58.59 ID:eDGcZwTe0
「ほら、苺ミルク」
朝一番、彼女に苺ミルクを届けるのが俺の日課になっていた。
「よくできました」
彼女がそう言葉を返すようになり、仲良くなれたのかな?
なんて思っていたある日の事件を今回は語ろう。
いいか、とにかくヤバイ事件だ。
「ほい。苺ミルク」
いつものように苺ミルクを届ける俺。
しかし彼女は窓の景色を見たまま答えない。
聞こえていないのだろうか?
彼女の頬に苺ミルクをひっつけた。
「冷たい」
冷たい声が返ってきた。
冷めた視線も返ってきた。
「どうした?」
「あたし、今日から苺ミルクは飲まない」
そう言って彼女がカバンから取り出したのは牛乳であった。ありえない。
なぜなら彼女は牛乳が嫌いなのだ。
驚きよりも否定が先に喉を通過した。
「ないない、それはない」
彼女はムッとした後、見せつけるように牛乳を飲み干した。
「ふふ」
とりあえず、自慢に満ちたドヤ顔を台無しにするように口元についた牛乳を拭いてやり、理由を聞いた。
「秘密」
その後、回数にして十三回同じ質問をしたところ怒られたので、教室を後にした。
そして昼。彼女に断りを入れ、俺は友人と久しぶりに昼食を共にした。
理由を聞き出すためだ。
ちなみに、友人は男一人。泣いてないからな。
「なぁ、彼女が牛乳飲んでるんだけど」
「知らね」
意味なかった。
仕方ないので夕方、彼女に帰りのバス亭で土下座してお願いしたところ、チョップの後に答えを頂けた。
乳
乳だった。
俺は許せなかった。
泣いて怒ってできる限り走って帰った。
夜、メールが届いた。
彼女からのいつもと変わりない簡素なメールだった。
「ごめんなさい。あたしも君のことが好き。胸が大きくなれば喜んでくれると思った。」
俺は泣いて怒りながら好きということを彼女に伝えていたようだ。
しかもオマケつきで。
「追伸。ロリコンでも多分大丈夫です」
俺はまた泣いた。
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