47:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 22:33:51.10 ID:G3Q/im2d0
十年たった。
相変わらず二人の生活は変わらなかった。
「おーいお前さん」
「なんだ?」
「見て!」
「その服盗」
「違う!これはお魚と替えてもらったんじゃ!」
「昨日こっそり小屋出たのはそれか」
「む、気づいておったのか、さすがじゃの」
「村人に気づかれなかったか?」
「ギリギリまで厚着したからの、大丈夫じゃ!」
「そうか」
「なんか懐かしい感じがしたわい。わしは昔、あの村に行ったことがあるかもしれん」
「覚えてないのか?」
「うむ、昔のことはあまり思い出せん!」
「自慢気に言うことか」
「ふふん!」
「とりあえず着てやるよ、貸してみ」
「ふふ、どうじゃ?」
「温かい」
「じゃろー!!!」
「ひっつくな、冷たい」
「ふーーー」
「やめろ、霜焼けになる」
「死にたいのじゃろ?」
「そうだったな」
「わしはお前さんに生きてほしい。ずっと」
「そう…だな」
「おぉ!ついにその気になったか!」
「今は、生きたい…かもしれん」
男は久しぶりに笑った。
「んじゃ記念に…子作りする?」
「何の記念だ。どこでそんなの覚えた。やらんぞ。下手したら折れる」
「折れるって、ふふふ。ほうじゃの、ありえなくもないな!」
「あとお前溶けそう」
「だ、大丈夫じゃもん!」
彼女の座る床はびしょびしょだった。
875Res/1159.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。