1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/03/17(月) 00:59:25.08 ID:QNwMdRQG0
どこまで歩いたのだろう、何を目指しているのだろう?
知らない建物、知らない景色
知らない人がそこらにモクモクと漂っている……ん?
高木「ようこそ、ここは勧誘の地」
勧誘の地?
高木「私はこの地の長、高木というものだ」
明確で簡潔な自己紹介だ
高木「ティンときた、ずばりここの住人にならないかね?」
理解が追いつかない…
高木「ここは、旅の目的を失った旅人の憩いの場…旅に疲れたら是非ここで永久の安らぎを得てほしい」
憩いの場?…それはなんだろう?
P「……!?」
声が出せない、いつもの感覚で喋ろうとしたが、詰まったように吐き出せない。
高木「その身なり、君も旅人なのだろう?」
確かに、自分は旅をしていたのかもしれない。
高木「まぁ、無理にとは言わなんさ…君はまだ、旅を続けるのだろう」
こくこくとうつむいた。
高木「そうだろう、そうだろう…」
続けざまにこう言った。
高木「君の旅は最初から最後まで孤独、得られるものなどたった一握りの喜びと、まるで背負いきれない悲しみだけだ」
高木「辛いと分かっていながらも、それでも歩みを止めない君を、私はただ見守ろう」
自分がこれからどんなことが起こるのか、全てを悟っているかのような物言いに目を丸くした。
高木「その地の人々は、その場所から出ることは赦されないのだ」
高木「私はただ、君の雄々しく大きい背中が一粒の砂となるまで、見届けよう」
きっとこの人は、今までもこれからもずっと旅人を勧誘するのだろう
一人の旅は孤独でさびしいもので、きっと心の内を共有したい
この人の心はきっとどこまでも暖かく広く深い海のようだろう。
こみ上げてきた言葉が、空気に触れることが叶わず、呑み込んでは腹に沈んだ
目に涙を浮かべ、頭を大きく下げ、自分は勧誘の地を後にした
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