14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/18(火) 01:42:11.95 ID:QIYzk+id0
先程よりも速く、――しかし、椅子ではなく俺に対して、確実に向かって出てくる。
教室には雨音だけが響く。
俺は必死に下を向き、何事もなかったかのように、何にも気付いてはいないように。
だが、それも直ぐに打ち破られる。
投げ出した足の、膝のあたりに彼女は乗った。
――軽い、本当に軽い。
その事実に口内で下唇を噛む。
恐らくは苦虫を奥歯で噛み潰した様な表情になっているであろう俺の顔を、彼女には、見せたくはなかった。
「――ボクはさ、」
頬の辺りに右手が添えられて、否応なく渋々と彼女の表情を見た、――矢張り彼女は笑っている。
笑った表情で、誤魔化すように口を開いた。
「――告白だよ」
告白、嘘のない言葉だった。
電灯の明かりはなく、雨雲で月明かりすらない教室で、しかし、薄らと見える頬に朱が差している事が分かる。
「くっくく、一世一代の大告白だ、受け取ってくれ」
冗談を、言うな、頼むから、言わないでくれ。
「――い、いのか」
――俺なんかが、俺みたいなやつが、受け取っても。
「……辞めておいた方がいい」
陰りのある笑い顔で、何処と無く困ったような印象も見受けられる顔で、彼女は前言を撤回した、
――それは、どういう事だろうか、
期待通りには、分からない。
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