8:サンザシ飴、プロレタリア独裁、童貞喪失[saga]
2014/03/19(水) 18:39:45.43 ID:9aNlzy2go
コンクリート打ち放しの硬い廊下を歩く。
高らかに響く足音が癇に障るが、自分ではどうしようもない。
ここに来る前にかけられた、仲間達の言葉を思い出す。
――初めてなんだろ? しっかりやってこよ
――お前は違うってことを見せてみろ
――できないって言うなら俺が行っても良いんだぜ?
――男を見せろよ
――これ、持ってるか? 持ってないなら俺のをやるよ
手に握らされたそれを見ながら独りごちる。
「こんなの、普通持っているわけないだろ……」
溜め息なのか、緊張のあまり息が荒くなっているのか、もはや自分でもわからない。
落ち着け、大丈夫だ、と自分を鼓舞しながら廊下の角を曲がると、突き当たりにくすんだ緑色の扉が見えた。
一際大きく心臓が高鳴る。
あの扉の向こうに、彼女がいる。
僕の、最愛の恋人。
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