11:マウンダー極小期、百貨店、遊戯王[saga]
2014/03/21(金) 23:41:05.45 ID:wiMAJbATo
「店員さん、これはどういうことなのですか?」
おじさんが聞くと、店員さんは困った顔のまま答えた。
「ご覧になったとおりです。ここは『百貨店』ではなく、『白貨店』。“何でも”はない、一つ足りないお店。別な言い方をすれば、『九十九貨店』とでも申しましょうか」
僕とおじさんはまた顔を見合わせた。
「『白貨店』?」
「ええ、ここは大体の物は売っているお店ですが、“何でも”売っている『百貨店』ではないのです」
ここが百貨店じゃないと言うのなら、何でも売っているという百貨店はどこにあるんだろう。
「じゃあ百貨店はどこにあるのですか?」
「お教えするのは構わないのですが、お客様はこの町の方ではございませんよね? 少し入り組んだところにありますので、地理に明るくない方は迷われるかもしれません」
「それでもお願いします。私はどうしてもそれが必要なのです」
うーん、と悩んだ様子の店員さんに、僕もお願いした。
「僕はこの町に住んでるから道はわかると思います。どうしても今日、買いたいんです」
それでようやく店員さんは、「そこまで言うのなら」と百貨店までの道を教えてくれた。
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