10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:22:06.81 ID:I629TTwQo
それからもう一つ定番のエピソードがあって、それはさらにもう少し小さいころ、家族で買い物に行ったときの迷子の話だ。
ひとりはぐれてしまった私は、「あかりちゃーん」と泣きわめいたという。
11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:22:53.47 ID:I629TTwQo
だけど変わらないものなんてない。
なにもかもどんどん進んで、新しくなっていく。
私たちはどんどん大きくなって、今も成長していて、これからも違う私たちになっていく。
大人はそれを知らない。
12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:23:33.46 ID:I629TTwQo
「行ってきます!」
うるさく何かを言っている母親を無視して、私は家を飛び出す。
13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:24:19.12 ID:I629TTwQo
チャイムを鳴らして、息を整える。
いつものあかりの足音が聞こえて、それから玄関の扉を開いて出てきた幼なじみに、私は言った。
「あかり、砂鉄集めに行こうぜ!」
14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:24:50.75 ID:I629TTwQo
◆
我ながらいきなりすぎる訪問だとは思ったけど、あかりは文句ひとつ言わずについてきてくれた。
これが結衣なら小言のひとつや百つくらいは言っていただろう。
15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:25:31.96 ID:I629TTwQo
「京子ちゃん、よく見たら髪がむちゃくちゃだよぉ」
あかりはちょっと背伸びをして私の髪を手で撫で付ける。
「おお、走ってきたからなー」
16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:26:06.98 ID:I629TTwQo
「えへへ。すこし風が強いけど、お日様が気持ちいいね」
「春分の日を過ぎたから、これからずっと夜より昼のほうが長いんだぞ」
17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:26:35.61 ID:I629TTwQo
「京子ちゃんは春休みの宿題、もう終わった?」
「んー。当然まだ」
18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:27:36.40 ID:I629TTwQo
そうこうしてるうちに川に到着した。
こんなに気持ちがいい日だというのに、あたりには人がいない。
私たちは堤防の階段を使って川岸までおりた。
19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/24(月) 14:28:02.99 ID:I629TTwQo
私とあかりは河原に座って、思い思いに砂鉄集めを始める。
そばにいるだけで何も言わない。喋らない。
なんだか数年前にタイムスリップしたみたいだ。
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