29:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/26(水) 20:09:05.20 ID:NrmcVnPo0
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早朝の街角は自分の居るべき場所へと向かう人々の群れで覆い尽くされている。
群衆をかき分け、見下ろす様な高層ビルに窮屈さを感じながら、俺はたった一つの思考に没頭していた。
「肇…」
足を止めて彼女の名前を呟く。歩みを急ぐ人並みを著しく妨害してしまい、喧騒に飲まれた町中でも俺に対する舌打ちの音ははっきりと聞こえた。
狭苦しく立ち並ぶビルの隙間に滑り込む。
ゴミを漁っていた真黒なカラスが俺の姿を確認して飛び去っていくのを見た。
まるで、肇の前から逃げ出したさっきと俺と同じだと、そう思った。
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