過去ログ - 【艦これ】提督「そしていつかは」隼鷹「夢見た航路を二人で」
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◆1aois5N.L2
[saga]
2014/03/29(土) 22:07:21.13 ID:4As/q9du0
既に、25年。
解体された海軍の尻拭いと言えば良いのか、提督は平和主義・民主主義を掲げる日本政府の命令を受けて活動してきた。
その中で、多くの艦娘達が海軍将兵たちと戦いへ挑んだ遺産や記録を目にすることとなった。
6隻に1隻しか、艦として生き残らなかった、あの大戦。
信じていた正義が覆され、多くの軍人が涙を流したと、身をもって理解していた。
提督(……無駄な戦いではなかったと、思いたいな)
おそらく、自分が生きているうちに日本帝国は他国との間で砲火を交えることはない。
そのように連合国は日本をつくりかえたのだから。
この体は既に痩せ衰えた老体だ。もはや提督として働くことはない。
ならば、出来る事は彼女たちと日本帝国海軍の戦いを語り継ぐことだけだった。
提督(いかん……眠くなってきたな……)
既に、夜だった。
何時かと同じ、満月が浮かんでいた。
提督「お前がいないと、少し残念だなぁ」
提督は、自室の壁際に置かれた木製の冷蔵庫へと歩み寄った。氷を注ぎ足して使うそれは、祖父の遺産だ。
なんと手作りしたものだ。変わり者の祖父ながら、よくぞこんなものを作ったと思う。
提督「敢えて、冷酒を飲むのがたまらん」
そこから、ゆっくりと酒瓶を一つ取り出す。
提督「あの時より、時代は良くなっているぞ隼鷹……」
隣にある戸棚から、大切に保管している猪口を取り出す。
数は二つ。出来るならば、あの佐世保の埠頭にまで行きたいが、それができるほど若くはない。
二つのそれに静かに注ぐと、一つを手に取った。
一人酌だ。
だから、会話などなかった。
もう一つの猪口も、中身がけっして減ることはないだろう。
提督「ああ……月だけは、あの時と変わらんな」
今ある平穏を、敗戦で勝ちえたのなら、それも悪くないと思っていた。
戦時中は勝利を目指していたのがひどく懐かしい。負けてこそ、得るものがあったのだから、不思議なものだ。
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