130:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/04/02(水) 23:13:30.28 ID:JNTyPC270
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突きつけられたのは無期限休養という名の解雇通告だった。
だけど私にとってはもうどうでも良いことだった。
優のことを知ったとき、周囲の人が私から距離を取ったのは分かった。
家族を見殺しにしたアイドルなんて、存在してはいけないことくらい自分にも分かっていたから。
もう私は歌えない。
マイクを向けられるたびに、あの事故の瞬間が鮮明に思い返された。
フラッシュバックされたそれは、私から声を奪っていった。
必死で喉を引っ掻いて声を出そうとしても、私の意志に反して声は出なかった。
血が染み出すまでそれを繰り返しても、何も変わらなかった。
次第に音楽を耳にするだけで吐き気がするようになった。
プロデューサーは『しばらく休め』とだけ言った。
それ以外の言葉は耳に入らなかった。
立ち止まることが許されないアイドルにとって、それは見限られたも同然だったから。
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