23: ◆InfI0vlg76[ ]
2014/04/01(火) 09:24:07.36 ID:V7PLv1990
(なんなんだろ、これ)
家にたどり着くと、そのままベッドに直行する。枕に顔を押し付けて、動悸を押さえる。
(どうしちゃった、あたし!そんなに能力が使いたいか?友達を騙してまでも?)
頭のなかで自分に言い聞かせる。今日初春や黒子、御坂に能力を使おうとしてしまったことを戒めるためだ。
少なくとも最近しばらくは、普通に押さえ込めていた。だから、これからも、
――本当に?
「…なんなの」
再び頭の中に響いた声を非難するように呟くが、その声は止まらない。
――気付いてない?あなた、能力を使ったんだよ?
「は?」
何度か使いかけたが、実際は能力は使っていない――そう思った佐天の頭に、一場面が甦る。
『相変わらず無能力者(レベル0)のままでしたよ、はあ…』
思い出して目を見開いた佐天の頭の中に、クスクス笑いが響く。
――それだけじゃないよ?まだ使ったじゃない。
「…え?」
それ以外には嘘は吐いていない。そう首をかしげた佐天の頭の中に、一つの光景が浮かぶ。
『今日のあたし、ちょっと調子悪くて。先帰ってきちゃいましたー』
まさかあのとき。
勝手に初春から逃げてきたことへの追及を恐れて、咄嗟に使ってしまったのか?
(でも、嘘じゃないよ!)
――あなたは誤魔化す意図で使った。わざと一部を隠す真実は、嘘とかわりないよ?
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