31: ◆InfI0vlg76
2014/04/01(火) 12:17:53.45 ID:V7PLv1990
代わりに困ったように笑う。
「最近、学園都市で詐欺が増えてて…元々子供ばかりの街ですから、あまりそのような手の込んだ真似をする人はほとんどいないんですよ。だから、警戒する人も少なくて被害が拡大しているみたいです」
「へえ、詐欺かあ。珍しいね、この街で」
カツアゲの方が容易にお金を手に入れられるし、裏路地の事情に精通していればある程度風紀委員からは逃れられる――もっとも最近は、ツンツン頭の少年やら杖をついた白髪の少年やらやたらと熱い男やらがそういったところに出没しては、不埒な行為を行う者を成敗すると言った噂も広がっているのだが。
佐天の考えるのは、別のことである。
(詐欺…人を騙してお金を得る。…あたしの能力も、同じじゃないの?)
使いようによっては人からお金を絞りとるなど造作もないことだ。頭に浮かんだ想像を、慌てて打ち消す。
初春は構わず続けた。
「注意を呼びかけるポスターを作りたいから、私に絵以外のデジタル作業を一任するって…」
「ははあ、有能な守護神(ゴールキーパー)様は大変だなあ。まあ、絵を別の人に任せたのは正解だね」
「どういう意味ですか!」
大袈裟なしぐさで感心を伝え、からかいに噛みついてから頭を下げる初春にお詫びのケーキの約束をさせる。
少し楽しくなってきたかな、と思った佐天と初春は、ふと後ろを振り返る。
その原因は単純で、名前を呼ばれたからだ。
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