過去ログ - 佐天「人を騙す能力、かあ…」
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63: ◆InfI0vlg76
2014/04/01(火) 22:46:22.27 ID:V7PLv1990
(…はぁ、なんか癪なんだけどねぇ、御坂さんの友達の手伝いってのはぁ。でもこの子はいい子そうだしぃ)

リモコンを使い、念話でアドバイスを与えながら食蜂は考える。

そもそも彼女の性格からして、こんなに親切ではない――道行く人は皆奴隷にするくらい平気でするし、それ以前に外に出ること自体面倒だと思っているのだ。

それが他人の能力開発を手伝い、そのために明日からもわざわざ公園に来ると言うなど、御坂が聞けば天地がひっくり返るような思いをするだろう。

しかし、食蜂操祈もまた。

他人の尊厳を踏み躙るような能力に、昔は嫌悪を感じ忌避してきたのだ。

しかし、周りは食蜂が能力を使うことを望み、暗に強要していた。

能力なんて使いたくない、という本音を殺し使い続け、挙げ句能力に飲まれかけて。
それでもなお、必死で抗おうとする姿を見て、

(昔の私に似てる、とか思っちゃったのかしらぁ?ま、気まぐれで助けてあげるだけなんだけどぉ)

『能力に飲まれる』というのは精神系能力者がレベル2からレベル4の間、成長途中に一度は陥る症状である。この症状はしっかりと自分の芯を持てば乗り越えられるのだが、ここ数日で能力の急成長を遂げている彼女の『自分だけの現実』は大きく揺れている。

(このままじゃぁ、乗り越えられなくて…完全に飲まれちゃうわぁ)

そう、別に心配してるわけじゃないんだけどぉ。ヘタなことして精神系能力者の名に傷をつけられたらたまったもんじゃないわぁ、と御坂美琴のようなツンデレの言い訳を心の中で済ませて、食蜂はリモコンを下ろした。


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