71: ◆InfI0vlg76
2014/04/01(火) 23:12:35.58 ID:V7PLv1990
少し時は戻る。
睨み合う御坂と風力使いを見て、佐天は眉をひそめた。
(あの男…?御坂さんが電撃使いってわかった瞬間に安堵した?)
もともと精神系能力者は自分でも知らないうちに人間観察のスキルが高まっていく。その恩恵で、佐天は僅かな違和感に気付けたのだ。
(おそらく、電撃に大して相性がいい能力。もしかしたら、手加減してる御坂さんの電撃くらい防がれるのかも…でも)
今更言ったところでどうしようもない。
すでに御坂は前髪の電気を放つ寸前だったからだ。
そして案の定、電撃が空中で消える。
慌てる御坂の前で、男がニヤケた。
(ぶっつけ本番だけど…やるしかない!)
このままだと、御坂さんが怪我してしまう。それは駄目だ――演算に集中する。
食蜂との訓練で成長した能力、『感覚詐欺(レンダリング)』。実際に使うのははじめてだが、
(あの食蜂さんに教えてもらったんだ。できないわけがない)
その効果は二つ。一つはもともとあったのと同じ、思考力を高め話術や手振りを効果的に扱えるようにするものだが、これは今は関係ない。
そしてもう一つは、進化を遂げたもの。簡単に言うと、
他人の感覚そのものに干渉するもの。
レベルの問題で触覚、味覚、嗅覚は誤魔化せないが、視覚と聴覚に干渉することが可能となった。元々の効果である『警戒心を解く』も僅かな特定の光を相手の視覚に出すことで心理的な効果を出していたようだ――というのは、食蜂の考察である。
(右に50センチ、認識をズラす!)
欠点は範囲指定が曖昧なところだが、むしろこの人数相手ならありがたいことだ。少し目の前の御坂がみじろぎするが、気にしない。
能力の発動を確認した瞬間、男が手をあげて。
丁度50センチ隣に石が直撃したのだった。
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