過去ログ - 閑無「あやまる方法」杏果「プフー」
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1:与太郎[sage]
2014/03/31(月) 23:58:46.87 ID:pe4kLRZj0
墨を摩る音が部屋に響く––––
上から下へ……上から下へ……
石飛閑無は、その規則的な反復にひたすら身を置いた。
傍らには羊毛の大筆と、雪のように真っ白な半紙がある。
書をしたためるつもりでいるのだ––––
これらの一連の動作、ただ己の心を鍛錬するだとか、学校の宿題だとか、山女に署名を強請られただとかの為ではない。遺書なのだ––––
墨を摩り終えると、筆の穂を全て硯に浸す。
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2:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:01:41.53 ID:b7NhEKXy0
辞世の言葉はすでに決まっている。卓に置かれた半紙に筆を運ぶと、迷いの無き山犬の眼のような筆で一気に書き上げた。
『基本無敵』
なかなかになかなかな筆である。
3:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:02:30.38 ID:b7NhEKXy0
しかし、完敗した。相手とは経験で差があるとはいえ、大層悔しかった。彼女の能面のように張り付いた勝利の笑みが、安いアナログテレビに焼き付いた像のように石飛閑無の頭の中の一角を占拠していた。
石飛閑無は考える、牌を選ぶその一挙一動、そこに間違いなど無いはずだ、そこから導かれる彼女なりの回答……
『麻雀なんて理不尽すぎるクソゲー』
4:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:12:18.67 ID:b7NhEKXy0
早速、稲村杏果と取り巻きに麻雀卓の用意をさせる、打ち尽くしの猛特訓である。当然、自分以外は素人である。それ故、閑無は取り巻きにハンデを与える事にした。
取り巻きA「………」
取り巻きB「ぽん………」
5:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:12:56.90 ID:b7NhEKXy0
取り巻きA「………」
取り巻きB「………」
杏果「えっと……」
6:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:14:52.81 ID:b7NhEKXy0
取り巻きA「すごい!杏果ちゃん、あの閑無ちゃんに勝っちゃった!」
取り巻きB「閑無ちゃんたいした事無いねwwww」
杏果「………」あせあせ
7:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:17:43.45 ID:b7NhEKXy0
取り巻きA「最近の閑無ちゃんてさ、威張り散らしてなんか厭な感じだよね」
取り巻きB「というか、私閑無ちゃんの家でゲームしたかっただけだし」
蒲原「ワハハ、私はアイスが食べたいぞ」
8:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:19:13.76 ID:b7NhEKXy0
誰も居ない自宅に帰る、両親は共働きだ何にも関さず自分の室に在る日本製のディスクトップPCを立ち上げる。
米国会社製の検索エンジンに入力したのは『あやまる方法』––––
膿みのように肥大した自尊心は、自分の中の素直な気持ちを喉の奥に痞えさせる。
9:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:20:01.17 ID:b7NhEKXy0
閑無「ふんふむ、せっぷく?」
古来より行われて来た絶対的謝罪方法にして究極のスポーツ『切腹』
閑無「これだ!!」
10:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:21:00.69 ID:b7NhEKXy0
石飛閑無の決意は、荒い水流に逆い遮るように沈む巨岩のごとく迷い無く確固であった。
それは先程書き上げた書が証明している。
部屋には、取り巻きや杏果、閑無が人生の好敵手と認める瑞原はやりが其の意志の貫通を見届けんと、静かに唖止まっている。
11:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:22:05.15 ID:b7NhEKXy0
一同はそれを神妙な面持ちで見つめた。
蒲原「ワハハ、これより切腹を執り行うぞ」
検視役が其の様子を見届ける。
12:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:23:05.50 ID:b7NhEKXy0
杏果「………」
取り巻きA「………」
取り巻きB「………」
13:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:24:02.54 ID:b7NhEKXy0
彼女の腹から臓物が飛び出す、閑無は溜まらなくなり何度も何度も吐き出した––––
その桜色をした腸は、苦痛に歪む彼女の状態とは裏腹に健康そうに脈打っていた。
最後に小刀を喉本に突き出し搔っ切ろうとするが、激痛に身悶えるその身では、一気に搔っ切るのは至難である。
14:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:24:40.35 ID:b7NhEKXy0
戒能「人は誰でも間違いを犯す」
戒能「思わず友達に嘘をつく、よかれと思ってやった事が相手を傷つける」
戒能「それは仕方のないこと、その場で素直に謝ればよし……」
15:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:25:13.90 ID:b7NhEKXy0
戒能「こ、この通りです。な、なんでもします」ドゲザー
はやり「ん?今なんでもするって言ったよね?」
戒能「ごくり……」
16:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:45:11.53 ID:b7NhEKXy0
とある焼き肉屋
加治木「………」
船Q「………」
17:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:45:46.35 ID:b7NhEKXy0
加治木(よし、焼くか……)
加治木「………」じゅー
加治木(タンは肉の中でも焼く時間が断トツで速い、それ故気をつけなければ焼きすぎることに……)
18:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:46:30.78 ID:b7NhEKXy0
まこ(一枚一枚上品に食べようとするからそうなるんじゃ、ここは一気に焼いて……)
末原(な!?タンを一気に敷き詰めて、タン塩でプレートを染め上げたやと!?)
まこ(ふふん、わしの得意な染手じゃ♪)
19:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:47:06.04 ID:b7NhEKXy0
船Q「………」もぐもぐ
船Q(そこのワカメ……あんまり舐めた真似してるとデータ関係なくとばしたるで!)
まこ「………」
20:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:47:41.73 ID:b7NhEKXy0
加治木(どうやら欲張り過ぎたようだな、一度に大量の肉を取った故行動が鈍くなる、その隙をつかせてもらった……)
加治木「………」もぐもぐ
末原「………」じゅー
21:与太郎[sage]
2014/04/01(火) 00:49:01.26 ID:b7NhEKXy0
加治木「………」ごくごく
末原「………」ごくごく
船Q「………」ごくごく
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