21:1[saga]
2014/04/03(木) 23:17:29.26 ID:JbV5wcEX0
気付けば少女と母親は見えなくなっていた。
きっと見えなくなった今でも少女は手を振り続けているのだろう。
夢の切欠を与えてくれた春香に最大限の愛を込めて。
「………………っっ……」
服の袖で強引に涙を拭う。
袖には少量のマスカラがこびり付いていた。
ふと空を見上げる。
いまだ雲が立ち込めることも無く、太陽は燦々と煌いている。
目を細めながら太陽を直視する。 熱さで涙を蒸発させるかのように。
「……………………名前、聞き忘れちゃったな」
ポツリと呟いた小さい後悔。
しかしその声色は明るいものだった。
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