7:1[saga]
2014/04/03(木) 23:04:05.97 ID:JbV5wcEX0
「一人じゃ寂しいけど、二人だったら寂しくないでしょ? だから、一緒に探そ?」
しゃがんでいた姿勢を正し、すっくと立ち上がると振り向いて彼女は手を差し出した。
少女が見上げると、丁度太陽と彼女が重なり、まるで彼女がキラキラ輝いているようだった。
心の苗に、憧れという芽が出始めた。 少女がそれに気付くにはもう少し掛かる。
彼女の輪郭から漏れる太陽の眩しさに目を細めながら、
なんでこの人は自分にここまで優しくしてくれるんだろう。
未成熟な精神ながらも、少女はただただそう思わずにはいられなかった。
そしてもう一つ、名前すら聞いていなかったことを思い出した。
初めて会う人にはお名前をちゃんと聞きましょう。 幼稚園の先生に何度も教えられたことだ。
「……おねえちゃん、だあれ?」
差し出された手を取って握り返されるのを感じると、少女はそう言った。
「私の名前はね、天海春香、って言うんだよっ!」
太陽の眩しさに負けない、素敵な笑顔で彼女は未来のトップアイドルと答えた。
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