過去ログ - 黒川千秋「私を信じて任せて、プロデューサー」
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[sage saga]
2014/04/09(水) 00:01:28.17 ID:CwW/zusk0
休憩時、彼女の第一声は意外だった。
「こういう時間、悪くないわね…」
「そうなのか? 今さら言うのも何だが、千秋はこういう雰囲気にちょっと苦手意識を持ってると思ってたよ」
「雰囲気そのものに苦手意識はないわ。ただ、自分のことを話すのは苦手なの」
確かにトークも「夜は喉の乾燥に気を付けているわ」とかプロとしての自分に終始していた。
まあこれは特に変えようとするところでもない、彼女らしさなのかもしれない。
「今日の共演者の方はどうだ? といっても一緒にライブの練習してるから知った仲だろうが。間中美里なんて同い年だろ?」
「ええ」
彼女は目をつむり、少し考えこむ。当人がいない所での会話、千秋に間中美里に好意的な感情しかなくても、俺が間中美里に対して誤解を招かないよう言葉を選んでいるのだろう。
「美里って変わってるけれど、悪い人ではないわ。優しいもの」
「そっか」
ただ彼女もちょっとはかりかねているらしい。天然っぽいしなああの人。
「あなたから見て私のトークはどうだったかしら」
「ん」
ここは率直な意見を言うべきだろう。彼女は下手なごまかしを嫌う。
「パジャマの女の子たちが寄り添えば、視聴者が期待するのはいわゆる甘酸っぱい恋話や、男がいるときには聞けない女の子特有の悩みなどだ。そういう意味では、千秋はもう少し意識した方がいいだろう」
「……そうね」
彼女は顎に手を当て思案にふける。本当に真面目だ。
「例えば、そうだな……異性にこんな甘い言葉をかけられてみたいとか、告白の理想のシチュエーションとか……どうだ、なにか思い浮かばないか?」
すると彼女はこちらを見、少し目を見開いて固まり、顔を背けた。
「甘い言葉とか、優しい空気とか、そういうの苦手なの。女の子同士だって喋れないんだから、アナタに言える訳ないじゃない…」
最後の言葉はか細くてうまく聞き取れなかった。
(一体何を想像したんだ?……耳が少し赤いような……)
トークは滞り無く終わった。結局アドバイスの成果は見られなかったが、主催者に求められたタスクはこなせたろう。
(急に新たな一面をっていうのは、プロデューサーのわがままかもしれないな)
舞台はライブへ移る。
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