38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/11(金) 19:23:07.38 ID:95e+9Xdq0
「な、なあ火憐ちゃん月火ちゃん。ひとつ聞きたいんだけど」
風呂場の扉一枚越しに、二人に声を掛ける。
「んー? なんだ兄ちゃん、やっぱりあたし達とお風呂入りたいのか?」
「それは断固断る。あのさ、依存する女の子を引き剥がす方法ってなんか無いかな」
「それって、昼間の女の子のこと?」
「ん……まあ、そうなんだが、誤解しないで欲しい。あれは彼女の本意じゃないんだ」
「わかってるよ。あんな変なの見ちゃったし、戦場ヶ原さんのいるお兄ちゃんがあんなの許す訳ないもんね」
何か訳があるんでしょ、ちょっといらっとしたけどね、と素直にのたまう月火ちゃん。
「やっぱり兄ちゃんはスゲーな、あたしじゃ考えもつかないようなステージで戦ってるなんて」
ビルの屋上とか走行中の貨物列車とかでな、と火憐ちゃん。
どうやらこの年で兄を変身ヒーローか何かと思っているらしい。
いや火憐ちゃん、お前の兄は改造されてないしそんな世を忍んで活躍したりしていないよ?
「兄ちゃんはいつもそうだ。あたしが詐欺師に騙された時もそうだったし」
「私たちに言えない秘密、あるんだよね。ずっと、ずっと」
「……それについては否定しないよ。けれど、肉親でも、いや肉親だからこそ言えない秘密はある」
「わかってるよ、あたしたちももうガキじゃねーしな。その辺は弁えてるつもり だよ。でもさ」
「私たちは基本的に、お兄ちゃんの味方だよ」
「……ありがとよ」
基本的に、という部分が引っ掛かったが、美しい兄妹愛ということにしておこう。
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