296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:03:24.76 ID:aFMIt3ru0
17
知らなかった。
命を狙われるのが、こんなにも恐いだなんて。
「ぁああ……し、死にたく、死にたくねえよ……!」
脇村和人(男子19番)は必死に走っていた。
時々、転び、手を擦りむいたが、構わず走り続けていた。
「あ……!」
走り続けていた和人はレストランを見つけた。
あそこに隠れよう!
そう思い、ドアノブに手をかける。
しかしーー。
「え……」
扉は開かなかった。
押しても、引いても、ガチャガチャと音を立てるだけで、開くことはなかった。
「嘘だろ……」
他の場所を探そうとして振り向いた瞬間、動きが止まった。
ボウガンを構えた柳瀬美蘭(女子18番)がいたので。
「また会えたね」
美蘭が微笑み、矢を放った。
矢は和人の左膝に命中し、和人は倒れた。
「ぅああああ!!いた、痛い!痛いぃいい!!!」
「煩い」
美蘭は和人に駆け寄り、顔面を思い切り蹴り飛ばした。
美蘭の蹴りは想像以上の威力で、鼻の骨が折れ、歯が何本か折れた。
「ぎっ!」
「私が虐められた痛みはこんなもんじゃないわ」
和人に刺さった矢を引き抜き、今度は右肩を突き刺す。
そして、また引き抜くと、今度は左腕に突き刺した。
「がはっ!がっ!」
「まだよ、まだまだなんだから……!」
その後も拷問は続いた。
腕や足や肩を刺され、顔や股間や腹部を何度も蹴られ、そしてーーー。
「ふう」
終わった。
美蘭は微笑み、名簿を取り出した。
「これで4人……でもまだまだ足りないわ……もっと殺さないと……特にーー」
自分を虐めた小倉由美(女子6番)、中谷香里奈(女子12番)、吉山瑛里華(女子19番)。
そして、その三人に自分を虐めるように指示したーー木原燎子(女子9番)。
この4人は何としてでも自分の手で殺したい。
お願い、4人共。
私に合うまで死なないでね。
ふと、空を見上げる。
もう、太陽が登っていた。
男子19番脇村和人 死亡
【残り31人】
序盤戦終了
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