297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:03:54.33 ID:aFMIt3ru0
02
周囲のざわめきに柳瀬美蘭(女子18番)は静かに目を覚ました。
ーーいつの間に眠ってたんだろう?
美蘭はゆっくりと体を起こし、周囲を見回した。
薄暗くてよく分からないが、自分はどうやら教室にいるらしい。
でも、自分の教室ではない。
次に何人かの生徒を観察した。
右隣の席に座っている明石美雨(女子1番)は委員長の木原燎子(女子8番)と話してる。
前の席ではギャルグループの小倉由美(女子6番)と吉山瑛里華がぎゃあぎゃあと喚いていた。
ーーホント、煩い女達。
美蘭はギャルグループが嫌いだ。
何かあったらすぐ暴力に走る。
平気で他人を傷付ける。
美蘭もその被害者の一人だ。
「あ、柳瀬さん起きた?」
保険委員の六木成美(女子16番)が話しかけてくれたが、正直鬱々しい。
誰かといるより、一人でいる方が幾分かマシだ。
でも、無視するのも悪いのでとりあえず、「うん、まぁ」とだけ言っておいた。
成美は「そっか」と言って、幼馴染の桃園歩美の元へ走って行った。
ーー何やりたかったのよあの女。
はぁ、と溜息を零した瞬間、ガラッと教室の扉が開いた。
それから一人の女性と兵士達が入って来た。
「だ、誰ですか、あなーー」
「皆さん、席に座って下さい」
燎子の言葉を遮って女は言った。
「十秒以内に座りなさい。 ……でないと」
一人の兵士が銃を天井に向け、撃った。
パァン、と弾けた音と閃光と同時に天井に穴が開いた。
「さ、早くなさい」
「さて、自己紹介が遅れましたね。 私の名前は五十音お子と申します。 皆さんの新しい担任です」
「あの!」
燎子が手を挙げた。
「えーと……あなた、木原燎子さん? 質問なら後で……」
「あ、篠塚先生は……っていうかこの状況を説明して貰えませんか?」
ふふ、とニッコリ笑いーー言った。
「あなたたちは今年のプログラムに選ばれました。 おめでとうございます」
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