307:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:10:34.32 ID:aFMIt3ru0
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六木成美(女子16番)はうーんと背伸びし、ソファに座った。
成美がいるのは8号館1階の保健室だ。
保健室にはたくさんの薬と医療器具が備わっており、多少の怪我ならここで処置出来そうだ。
そして、ベッドには先程応急処置を終えた桃園歩美(女子17番)がスヤスヤ眠っている。
出血多量で死ぬと思ったが、どうやら間に合ったようだ。
「お疲れなっちゃん」
応急処置を見届けた本島誠太(男子15番)が缶コーヒーを差し出した。
「ありがーーってこれブラックじゃん!」
「ごめんごめん、自販機で売ってるのそれしかなくて」
軽く謝るが成美は首を横に振った。
「悪いけど、歩美を見てて。ちょっと飲み物探してくる」
「は? ちょ、成美」
「大丈夫だって!すぐ近くなんだし、すぐ帰ってくるよ!」
成美はウィンクすると保健室から出て行った。
「あいつ大丈夫かな?」
後を追いかけよう考えたが、歩美のことを考えるとここを離れるわけにはいかなかった。
「全く……まあ、あいつは多分大丈夫だろ……」
そのときだった。
成美の悲鳴が聞こえた。
「成美!?」
悲鳴を聞いた誠太は思わず保健室から飛び出した。
「成美!!」
「あっ……」
誠太は悲鳴の現場に辿り着く。
そこには怯えた顔でへたり込んだ成美の姿があった。
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