344:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:38:16.69 ID:aFMIt3ru0
早く、早くみんなに伝えなきゃ!
お願い、みんな無事でいて!
斎藤紘子(女子8番)は住宅街でグループメンバーを探し続けていた。
早く須佐直人を殺した仮面の人物のことをみんなに伝えなくてはならない。
でないと、みんな死んでしまう!
「きゃっ!」
次の曲がり角を曲がった瞬間、何かが紘子の足に当たり、紘子は転んだ。
「いったぁ……えーーー」
紘子は足元に転がってる何かを見て、硬直した。
それは、人間ーーーいや、人間だったものだ。
胸を赤黒く染めた、矢丸俊美(女子18番)の遺体だった。
「ぁあ……」
俊美の顔は苦痛に歪んでいた。
きっと、苦しみながら死んだのだ。
そして、紘子は思った。
みんな、俊美のように残酷に死んでしまうんだ、と。
「い、や……」
私も、死んじゃう?
俊美みたいに?
須佐君みたいに?
そんなの、嫌!
「し……死にたくない!」
紘子はデイパックから釘バットを取り出した。
「私、まだ生きたい……みんな、殺さなきゃ……!」
そのとき、背後から気配を感じた。
咄嗟に振り向く。
そこには、あの仮面の人物がいた。
ーーやらなきゃ、やられる!!
「ぁ……やっ……やだぁ!!」
紘子は釘バットを振り下ろす。
しかし、バットは空を切るだけで終わった。
それでもめげず、再び振り下ろす。
だが、どんなにバットを振り下ろしても結果は同じだった。
そしてーーー。
「あ……」
紘子は見た。
イングラムを構えた仮面の人物を。
やだ、死にたくない。
お母さん、お父さん、麗華ちゃん、みんな。
誰か助けーーー。
一筋の涙を零した瞬間、掃射音を共に、紘子の頭部が弾け飛んだ。
イングラムを下ろすと同時に頭部が右半分失った紘子が自ら作り上げた血と脳髄の海へ倒れた。
紘子を殺し終えた人物は直ぐに荷物を纏め、去って行った。
女子8番斎藤紘子 死亡
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