345:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 10:39:14.17 ID:aFMIt3ru0
「はぁ……はぁ……!」
上坂陽子(女子3番)は道も分からずただ、必死になって走り続けていた。
時折後ろを向くが人の気配はない。
でも、走るのは辞めなかった。
あの襲撃者の事を考えると恐くて堪らない。
出来るだけ遠くへ逃げたかった。
麗香……みんな……大丈夫かな……?
うん、大丈夫だよね!
美央子と郁恵は死んじゃったけど、他のみんなはきっとーーー。
ガサガサ!
突然、近くの茂みが音を立てた。
そして、人が飛び出してきた。
「きゃっ!」
「ひっ!」
思わず、武器の文化包丁を構えるがすぐに降ろした。
何故ならーーー。
「三四子!」
「あ、陽子!」
茂みから出てきたのは町田三四子(女子13番)だった。
三四子は陽子の姿を認識すると、ボロボロ涙を零しながら陽子に抱きついた。
「良かった……!陽子が無事で……!」
「うん、私も三四子が無事で良かったよ……」
それから二人は他のメンバーを探すため住宅街へ向かった。
「みんな野宿は嫌だと思うからここにいると思うんだけど……」
二人は静かな住宅街を慎重に歩く。
きっと、他のみんなも野宿を嫌い、ここにくるはずだ。
自分達を襲った犯人も。
「ねえ、陽子……みんな、無事、だよね?」
「決まってるじゃん!」
陽子がそう答えた時だった。
「きゃああああああ!!!」
「!?」
「悲鳴!?」
そう遠くはない。
二人は急いで悲鳴がした方向へ走った。
「あぁ……」
「そん、な……」
少し走って二人は見つけた。
矢丸俊美(女子18番)の死体を。
俊美は仰向けに倒れており、左胸には刀が突き刺さっていた。
「俊美……」
俊美はいつも明るかった。
偶に空気が読めないところもあるけど、ギャルグループのムードメーカー的存在だった。
その俊美を[ピーーー]なんて……。
「私、許せない」
「えっ?」
俯いていた三四子が顔を上げた。
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