過去ログ - 日向「強くてニューゲーム2」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/15(火) 05:43:42.92 ID:fX5a1w8N0
背後でドスのきいた声が聞こえ、良樹たちはビクッと体を震わせ振り向いた。
そこには、クラスの不良問題児ペアの井上稔(男子2番)と坂出慎(男子5番)が眉間にしわを寄せて良樹たちを睨みつけていた。

「ごごご…ごめん!」

良樹たちは慌てて前を空けた。
この2人に目をつけられれば、次の日には傷だらけで学校に行く羽目になる、という噂もあるほど2人は強暴だ。

「ったくよ…ってポカリねぇし!」

「うわ、最悪…じゃあ、オレコーラでいいや」

慎が100円玉を入れようとした時だった。

「ねぇ、ミノ!!」

「慎も聞いてよ!!」

叫び声が聞こえ、慎は100円玉を落とした。
「だーっ!」と声を上げる慎を横目に、稔は声のしたほうを見た。
そこには咲と玉樹がいた。

「…何なんだ?」

首を傾げる稔に、咲は先ほどの得体の知れないキーホルダーを突き出した。

「これ、絶対可愛いよね、ね!?」

「可愛くないよね、稔!!」

「え…はぁ…!?…あぁ……」

2人に見上げられた稔はどもってしまった。
何とか100円玉を見つけた慎も、そのキーホルダーを見て絶句してしまった。
不良問題児ペアの唯一の弱点、それが玉樹と咲だ。
稔たちに普通に接しているのは、玉樹と咲だけで、達哉と桜子は遠くで怯えて見ている。

 

いそいそとその場を離れた4人は、挙動不審にしている尾花哲也(男子3番)を発見した。

「おう、尾花、どうしたんだ?」

「あ、あ、堤!
 あのさ、頼みが…金貸してくんない?
 英が酔ったみたいでさ、茶とか飲ませたほうが良いかなって…」

見ると、哲也の後ろでは、大柄な哲也とは対称的に小柄な吉井英(男子19番)が蹲っている。
困っている人を放っておけないのも、どこか抜けているのも、哲也らしくて笑いが込み上げそうになるが、本人は必死なので、何とか堪えた。
とりあえず金を貸し、4人はバスに戻ることにした。

 

戻って最初に目に付いたのは、バスの最後部座席で騒いでいた行人グループの面々だ。
グループリーダーである、恐らくクラス1の美男子、仲山行人(男子12番)を中心にして、右で騒いでいるのはクラス1明るい佐久間佳江(女子6番)と、佳江と同じバレー部の内藤真依子(女子12番)。
行人の左側で行人と会話を交わしているのは、クラス1の優等生の鈴木明也(男子7番)と、その左には大人しそうな野口素明(男子13番)。
佳江は行人が好きらしいが、今は明也に行人を取られ、不機嫌そうだ。

 

その前の席で迷惑そうにしながらも、自らの顔に化粧を施し直しているのは、ギャル3人組だ。
リーダーの日生吹雪(女子17番)は最も不機嫌そうにしながら吊り上がる眉を描いている。
その横で矢矧彩乃(女子20番)はマニキュアを一生懸命付けている。
補助席ではクラス1の美少女と言われている中野尋代(女子13番)がビューラーで睫毛を上げている。良樹が話し掛けられるのは、尋代だけだ。あとの2人ははっきり言って怖い。
その斜め前では、門脇吉孝(男子4番)が閑谷邦康(男子6番)に話し掛けている。おそらく吉孝の自慢話だろう。聞いている邦康が気の毒だ。その前にいるのは、大人しい川上理映子(女子3番)と黒沢星子(女子5番)。星子は横にいる無口な国本弘美(女子4番)に必死に話し掛けているが、弘美は無視して読書をしている。その横で楽しそうに話をしているのは、クラス公認ほのぼのカップル、和田純直(男子20番)と原田千秋(女子16番)だ。

「はいはーい、ちょっと道塞がないでくれないかねぇ!」

はっと我に返った良樹が振り向くと、そこには女子委員長の津川麻保(女子9番)をはじめとして、ソフトボール部員の八重歯が印象的な高田なつみ(女子8番)、なつみにしがみ付く、決して男を寄せ付けようとしない徳永礼子(女子11番)、女子バスケ部キャプテンの西智美(女子14番)がいた。

「あ、ワリ、ゴメンな委員長!」
「いえいえ、でも邪魔だからとっととのいてちょうだいな」

何か今日はやたら邪魔者扱いされてる気がする。良樹は苦笑し、自分の座席に着いた。



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