過去ログ - 穂乃果「酒は飲んでも呑まれるな」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/04/16(水) 22:38:16.97 ID:ijUnC7Rk0
(痛い……痛いよ……! ……でも、なんで……)
しかし凛はその痛みの向こうに、見たこともないような景色が待っているような気がしたのだ。
自分を抑えがちだった花陽。
その目が輝くとき、その視線の先に自分はいなかった。
それでもいいと思っていた。彼女が良ければそれでいいと。
だが凛は知ってしまった。
(ごめんなさいかよちん……凛は、凛は……!)
今、花陽の全力が凛に向けられている。
形がどうであれ、凛は花陽の思いを桃尻に力強く感じている。
嬉しかった。天にも昇るような気持ちだった。
今は本気で自分だけを見ていてくれている、そう思うと心臓が苦しいほど高鳴った。
だから、それを取り上げられたとき、凛はひどく寂しくなった。
「……もういいよ。これ以上は私の手も痛いし」
「あ……にゃぁ……かよちん……」
蜜月の時は終わった。凛は涙をこらえるのも忘れ、花陽の本気が身体から離れるのを見ていた。
優しさを踏みにじったのだ。もう彼女は以前のように振る舞ってはくれないだろう。
恋愛小説の中でよくある、別れを決めた恋人同士が最後に身体を重ねようとする理由を、凛は知った。
最後にこの感覚を身体に焼き付けておこう。彼女の気持ちがどこに行こうと、私はこれを支えに生きていこう。
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