105: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:38:01.14 ID:BRdqqewp0
三白眼「わたしを、死なせろぉおおおおおおおおおおおおっ!」
詰襟「殺す!」
渾身の力で向かってきた柱を、俺は同じく渾身の力で、地面に向けて叩きつける。
がら空きになった三白眼。
決着は、一瞬だった。
木刀が左肩から胸部までをぐちゃぐちゃにかき乱している。三白眼はベッドに腰掛け、壁に背中を預けた状態で、かろうじて息を残していた。
三白眼「は、はは、こ、これで、しし、死ね、る」
笑顔だった。この場に会って不釣り合いな笑顔だった。夏休みの宿題を終わらせた子供の顔だった。
詰襟「お前、俺を自殺のダシに使いやがったな」
三白眼の耳には届いていないようだ。既に絶命している。
恐らく彼女は勝ち残れればムムに己を殺してもらうつもりだったし、その過程で死ぬことすら本望だったのだ。ただ一秒たりともこの世界にはいたくなかった。
だから殺傷能力のある俺だけを残した。
しかし、と俺は思う。柄にもなく。
こんなメンタルの弱い奴が、たとえ死んだとて、あの世で幸福に暮らせるだろうか。どうせどこにいっても悩んで悩んで苦しんで苦しむに違いない。
まったく、愚かな。
とにもかくにも俺の勝ちだ。俺の生き様が勝った。それはつまり、俺の生き様の正しさが証明されたことに他ならない。
詰襟「これでまた一歩、世界が健全に近づいた」
為すべきことを為せたのだ。
血に塗れた木刀を拾い上げ、壁を破壊する。術者が死ねば、当然構造変化も解ける。外はすっかり夜だった。
詰襟「外の空気は気持ちいいな」
自然と呟いていた。
―――――――――――――――――――――――
『門外不出』死亡
残り六人
―――――――――――――――――――――――
235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。