124: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 00:41:06.39 ID:ZAqq2qmq0
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這う這うの体で家までたどり着いたときには、既に夜だった。
『天網恢恢疎にして漏らさず』で確認したところ、能力範囲内にいるのは一人。気になるが仕方がない。くたくただ。とにかく、休まなければ。
親からはこの時間までどこにいたのとテンプレートなお叱りを頂戴した。それをごまかし、ベッドにダイブ。
『悪即斬』はどうなっただろうか。『門外不出』は? それもまた気になることであった。
知りたいことはたくさんあるのに、体がそれにおっつかない。休息を欲している。何よりも。まず第一に。
日付が変わるまであと三十分。
吐いた空気は鉛より重たい。
なぜ自分だけが出られたのか――否。出してもらえたのか、考えても考えてもわからない。それは僥倖で願ってもないことであったが、どこか負けたような気もした。お前には用はないと言われたようで。
いや、違うぞ、あたし。蛍光灯の明りをぼんやり眺めながら思う。手をかざしてみたり、なんかもしながら。
腕章「生きてる限りは負けじゃない」
五体は満足。ベッドの感触を十分に味わえる。負けただとか、そんなナーバスになる必要なんてないのだ。
腕章「あ……宿題やってない」
思い出しながらも睡魔には勝てない。入眠。
友人「珍しいね。報道が宿題やってこないなんて」
腕章「昨日は大変だったのよ、いろいろ」
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