125: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 00:41:38.92 ID:ZAqq2qmq0
本当にいろいろ。
後輩は死んじゃうし。
屋敷には閉じ込められるし。
あたしは口数も少なめに友人のプリントをひたすらに写す。まったく、持つべきものは友達だ。
しかし、残り六人である。七人から六人。この数字の減少が意味するところは、悪即斬か門外不出、どちらかの死亡に他ならない。
まさに漁夫の利。あたしの人生こんなにツイてていいのかしらん。
腕章「ツイてる、か」
鮮烈な彩人――福留大福――『棚から牡丹餅』。
邂逅は一瞬で最悪なものだった。僅かな時間で読み取れたものは多くはないけれど、ある種の危機感をあたしに抱かせるには十分で。
腕章「無差別は、困る」
『邪気眼』こと銀島路銀もそうだったけど、あまり派手に騒がれると、あたしとしてはやりにくい。自分の能力を過信しやりたい放題やる輩がとっても苦手なのだ。
だってあたしは『天網恢恢疎にして漏らさず』。攻撃力はないに等しい。手のひらで踊らせないと勝機も生まれやしない。
まだ見ぬ二人の能力者もいる。そして片方はこの学校にいる。目下のところ、火急の要件はそちらだろう。どこかでニアミスしている可能性だって大有りなのだ。
その気になれば同類のにおいを嗅ぎ分けることはできる。ただ、それはやはりある種の怪しさを覚えて初めて気づけるもので、手当たり次第にできるタイプのものでもない。
ムムは「安心しなよ」と言っていたけれど、安心できるはずなんてなくて。
考え事をしている間に宿題は写し終わる。友人に礼を言って、チョコレートの一枚でもくれてやると、顔をぱあっと明るくさせて剥きはじめた。甘いものに目がないのだ。
「もしもし」
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