153: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 12:39:35.22 ID:D8toTj0A0
速度に関しては「時は金なり」が数枚上手だ。というよりも時間を止められるのだから速度と言う概念を超越している。彼女は俺様や「悪即斬」にも警戒を払ってはいるが、実際攻撃しているのは彩人だけ。
そして彩人はその攻撃をなるたけ回避しようと振舞っている。不幸の余波がこちらまで被害を及ぼすが、さしたる問題じゃあない。校庭は何もない分不幸の起きる余地が少ないというのもある。
詰襟「殺人は悪だ。悪は殺す」
そして、こいつだ。
こいつは俺様を目の敵にしている。こいつの悪即斬の生き様と、俺様の弱肉強食の生き様とでは、決定的な乖離がある。消して受け入れられない水と油。
「悪即斬」の望む世界は苛烈な世界だ。正しく生きよ。前を向け。背筋をぴんと伸ばして、倫理に悖るな、人の子ら。それが人間として生きるということだ。獣として生きぬということだ。
対して、俺様の望む世界は弱者をこそ救う世界である。正しく在ろうとしても正しくなれぬ人間。強く生きようとしても強く生きられぬ人間。俺様はそんな人間をこそ救いたい。
「悪即斬」はけれど許さないだろう。正しくなれない人間は文字通り切って捨てる男だ、あれは。
木刀による斬撃をいなす。きっちりと頭部を狙ってくる一撃は読みやすいが、眼前を切っ先が流れてゆく光景はどうにも慣れないものがあった。ストックは十分。数回ならば復活も可能だろうが。
返す刀を潜り込んで金的。脚で防がれるのをそのまま力づくで押し倒し、木刀の有効射程、そのさらに内側の戦いへともつれ込ませる。
膝が俺様の頬を強か打った。頬が切れて口の中に血の味が滲む。一瞬怯んだが食らいつき、胸ぐらを掴みながらお返しのグーパン。しかし「悪即斬」も同じことを考えていたようで、図らずともクロスカウンターの形になる。
衝撃で視界が歪む。ぐらぐら揺れる。
たたらを踏んでよろめいた先には「時は金なり」がいた。背中をぶつけるようにして止まる。
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