156: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 12:41:42.34 ID:D8toTj0A0
金髪「にしても、どぎつい不幸だな」
会計「えぇ、えぇ……」
虚をつくために「悪即斬」が放り投げた木刀が突き刺さったのだ。死角からの攻撃に、時間停止も叶わなかったに違いない。もしくは残り五秒と関係があったのだろうか。
会計「それにしても、どうして、私を助け、ようと……?」
金髪「俺様一人じゃどうにもならねェからな」
業腹なことだが。
金髪「まずは保健室か? つっても、怪我の治療なんてできねぇな。どうする」
どうやら追っ手は撒けたようだった。というよりも、あの二人が戦ってくれていれば、それに越したことは何もない。
会計「職員室……もしくは、教室、どちらでも、いいから……お金を」
金髪「金ェ?」
会計「えぇ……早く」
意味が解らなかったが言われたとおりにするしかあるまい。
職員室と各教室を回り、財布の中の金銭を全て奪っていけば、総額では三十万程度になった。そうして「時は金なり」の言うとおりに職員室へと戻ってくる。
「時は金なり」はよろめきながらも職員室の中央、恐らく校長が座るのだろう席の前で屈みこんだ。そこには金庫がある。
会計「三十万……これで、体の時間を買い戻す、わけには、いかなかった」
ぶつぶつと呟く内容を俺様は全く理解できない。
会計「私が、買い戻すのは、ここ。これ」
会計「『時は金なり』」
俺様はその時見た。超高速で金庫の鍵が回ってロックが外れ、次いでダイヤルが回転し、まるで導かれるようにその扉が開くのを。
中に入っているのは書類の束と、札の束。全部で二百万程度はあるだろうか。小銭の入った袋とケースもある。
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