187: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:17:02.73 ID:BKn3hKU/0
手を彩人の首にかける。忘我の彼女はそこでようやく状況を理解し、全力で振りほどこうとしてくるが、まったく非力だ。それ以前に彩人が遮二無二になっている状況がなんだか滑稽にすら思えてくる。
彩人「ぐっ! や、やめっ、……! かは、ぁっ、や、めろ!」
彩人「ふ、ふざけ、ふざけんあ! わら、わたひ、が、ここ、こん、ぁ!」
違うでしょう? そうじゃないでしょう?
そうやって必死になって何かをするのは、あなたの生き様ではないでしょう?
努力が無駄だと、必死になるのが無意味だと、そう嘲ったのはどこのどいつだったか覚えてるでしょう!
私は逆。
必死になって金をかき集め、必死になって私の人生をよりよいものにしなくてはいけないのだ。
会計「だからっ! 私が! あなたなどに負けるはずがないのよ!」
蛙の潰れる音が彩人の最後の声だった。顔を赤くしたり青くしたりした彼女は、眼を剥いて、そのまま全身から力が抜ける。
会計「は、はあ、はぁっ……やった、やったわ、ざまぁみなさい」
会計「で、でも……これは、やばいわ、ね。実に」
腹に穴が開いていて、両足は膝から下がない。既にアスファルトは血だまりになっている。
急いで私の財布と彩人の財布を漁る。十二時間ぶんの時間を売ったのだ、それなりにお金が増えていておかしくはないはず……。
開いた財布には二万円ほどしか入ってなかった。最後に入っていた額と併せて考えると、一時間当たり七百五十円程度。最低賃金? 私の時間も足元を見られたものね。
……まぁ、所詮私なんて、その程度の人間だったということかしら。
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