53: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/17(木) 23:47:59.97 ID:vq3mQqnr0
ま、あの二人はきっと大丈夫。「悪即斬」は性格的に自分から戦いを挑んではこないし、「弱肉強食」の凶行は「悪即斬」が止めてくれる。
目下の問題は、今感じている一つの気配だ。
あたしの学校にはもう一人能力者がいる。
それが誰かはわからない。
一通り探し回ってはみたけれど、「邪気眼」のように往来で能力をぶっぱなすバカはそうそういない。尻尾を掴むことさえできなかった。
今のところ目立った動きがないといって安心はできないだろう。逆にいつこちらが標的になるかもわからないのだから、警戒はするに越したことはない。
けれど、どこかにいるのだ、必ず。どこかには。
少しだけ肌にピリピリしたものを感じながら、こっそりと校内へと入っていく。保健室の扉を開け、「すいません、頭痛いんですけど」。
熱を測らされる。当然あるわけないけど指示には従わないと。ソファに腰かけながら、僅かに思索を巡らせた。
残りは七人。そのうちあたしが知っているのは「弱肉強食」「悪即斬」だけ。不明は四人で、そのうち一人があたしの学校にいる。
腕章「厄介だなぁ」
学校に能力者がいるのであれば目立つ行動は避けたい。けれど、情報を入手し先手を打つためには、行動はどうしたって必要になる。
あたしの能力は全く戦闘向きじゃない。裏をかき、欺いて、反撃の暇を与えずして勝たないと。
携帯電話をこっそりと開く。アドレス帳に記載された「悪即斬」から「猪突猛進」までの名前の中に、もう手駒として使えそうな能力者はいない。そろそろ自ら動く頃合いなんだろうけど、度胸が出ないのはたぶん、あたしの悪癖だと思う。
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