過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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78: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 11:53:09.85 ID:hodrlcSw0

 古ぼけた家だった。木製の扉に真鍮のドアノブ。映画でしか見たことのないドアノッカーまでついている。これ、絶対に指を挟むと思うんだけどなぁ。
 ドアノブは容易く回った。油をきっちり挿してあるのか、予想以上にスムーズに、音を立てない。そのまま引くと、これまた蝶番は軋む気配すら見せない。あたしは警戒を強めながらも屋敷の中へと足を踏み入れる。
 扉が閉まった。電気はついているが、薄暗い。

 がちゃん、がちゃんと背後で音がした。

 背後?

 振り返った先には誰もいない。ただ扉があるだけで、けれどその鍵は閉まっている。チェーンも。
 外そうと思って、止めた。どうせ外れるわけがないのだ。恐らくこれも敵の能力に違いないのだから。
 塀の傷が戻り、門扉も消えた。そしてここに来ての不可解な現象。なるほど、なんとなくだけれどあちらの概要がわかってきたじゃない。

腕章「はっ! まるでびっくりハウスじゃない」

 効果範囲はこの屋敷の敷地内。物質変化……いや、構造変化と言ったほうが、この場合は正しいのかな。

腕章「天網恢恢疎にして漏らさず」

腕章「正しい路を、あたしに示せ」

 だってそうでもしなきゃ、この館を踏破はできない。

 再度扉から振り返ったあたしの眼前に広がっていたのは、階段、扉、廊下……普通の家には当然あるそれら。
 だけど、それぞれ100近くが広がっている光景は、若干鳥肌すら呼び起こす。



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