過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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79: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 11:53:55.63 ID:hodrlcSw0

 玄関から一気に枝分かれする廊下。そしてそれぞれに二階に上がる階段。いくつもの扉がぱたぱた開閉をしていて、まるであたしを取って食おうとしている幽鬼の類。

 しかし惑わされることなどはないのだ。一条の光があたしの道しるべとなる。それをただ追っていけばいいだけなのだから。

 猟銃を構え、決して油断の無いように、あたしは一歩ずつ廊下の感触を踏みしめながら歩いていく。空気はひんやりとしていてまるで温かみがない。本当に人が住んでいるのか疑わしくなるほどに。
 ここは既に敵の敷地内で、それは体内であることも意味する。足を止めねば消化されるだけ。そんなのはごめんだ。

 と、光が止まった。あたしは一瞬目を見開いて、大きく深呼吸をする。

 廊下は依然続いている。左右に開閉をしている扉。天井には蛍光灯。背後は……壁ができている。行き止まりだ。
 なるほど。いくらでも構造を変化させられるから、光も迷うか。なんて厄介な。

 だけどおかしい。敵の目的がわからない。あたしがやってきたのをわからないはずはないし、だからといってすぐに殺そうとしてこないのも不可解だ。
 もっとこう、入ってすぐに館があたしを圧殺してくるとか、そういうレベルの物騒さを想定したのだけど……どういうことだろう。
 何らかの意図があるのは明らかだ。それとも、誰かを殺したくない? まさか。だったらあの宇宙人の甘言に惑わされなければよかったのに。

 自問自答していても答えは出ない。ポジティブな行動は足を前に動かすだけだとは分かっている。それでも、どうにも頭でっかちになりがちだ。

??「あ、てすてす、もしもし」

 ダウナーな声が降ってきた。



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