84: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 11:58:33.12 ID:hodrlcSw0
再度光が迸った。あたしは跳んでくる全て、向かってくる全てに一瞥もくれず、ただひたすら光を追って全速前進。
ばちばち、がちがちと体に何かの破片や角や固いものが当たる。打撲で鈍い痛みが襲ってくる。息を吐き出して止まりそうになるのをこらえ、歯を喰いしばって、根性を見せてやるのだ。
腕章「ぐ、ぅ、はっ!」
だけどおかしい。顔面に向かって飛んできた掃除機を寸前でキャッチ、手で押しのけながら、あたしは足と同時に頭も動かす。能動的に能力を使って、こんなことができるのであれば、じゃあ初めからこうすればよかったのだ。なぜ今更。
あたしを見くびっていたわけではあるまい。敵は確かに餓死といった。あたしはそれを、敵がこちらに対して攻撃する能力が欠けている、もしくは低いからだと推論したが、どうやら危害の加え方も心得ているようなのだ。
なら、どうして。あたしを殺そうとしなかったのか。
わからない。
わかる必要のないことだとは思えなかった。二重否定の先に待っているのは、将来への不安。
それを踏みつけるかのように力強くフローリングを蹴る。
腕章「抜けた!」
閉じる扉の隙間に足と猟銃を無理やり突っ込んで、体を無理やりねじ込んだ。出るとこが出てなくて嬉しかったのなんて初めてだわ!
勢いのままもんどりうった。固いものに頭をぶつけ、悶絶する。
どうやら扉の向こうは部屋になっているようで、そこでは構造変化は起きていないらしい。その理由は不明だが、事実の確認は重要だ。
どうやらあたしがぶつけたのは椅子の脚らしい。背もたれに手をかけて、体を起こす。
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