過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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96: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:02:10.12 ID:tJbiuqvE0
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 壁の穴をくぐれば腕章の姿がなかった。
 まさかと思って後ろを振り向いても、気配はない。

詰襟「……」

 誰もいない。
 逃げたか? 撒かれたか? にしても、嵌められたのだとしたら、気配の消し方が卓越しすぎている。あんなただの女子高生に、そんな真似ができるわけはない。
 となると……。

詰襟「敵、か」

 十中八九そうだろう。ナビのできる天網恢恢と、家を物理的に破壊できる俺。分断するのは当然で、敵の能力を鑑みれば、それは決して難しくないはずだ。

詰襟「さて、どうしたものか」

 目的ではなく手段を、だ。
 とにかくここの家主を殺さなければ気が済まない。殺人、それも尊属殺人など重罪だ。罪はきちんと裁かれなければ。そのために俺がここにいるのだから。
 罪を憎んで人を憎まず? 冗談じゃない。罪も憎むし人も憎む。目には目を。歯には歯を。殺人には殺人を。それが正常の人ってもんだろう。

 悪は即ち切って捨てる。俺にはその力がある。

詰襟「そんな俺に勝てるってのかい」

 小部屋だった。普通の私室だった。それまでのだだっぴろい、無限に続くような――そして恐らく無限に続いていたであろう廊下とは違って。
 炬燵が中心にあって、勉強机の上には教科書、ノート、筆記用具。ノートパソコン。壁にはセーラー服がかかっている。あまりそっけない部屋だった。
 部屋の角にはベッド。そしてそのさらに角に、何かが――誰かが体育座りでうずくまっていた。膝に埋め、腕で抱えた顔から、こちらにじっと視線を向けている。

??「……」



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