97: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:03:05.82 ID:tJbiuqvE0
俺は跳んだ。
距離は三メートル。歩数にして二歩。
何が何でも叩き殺す。
地面が突き出る。ぎりぎりそれを踏み台にしてさらに高く飛んだ。蛍光灯を掴み、引き千切りながら。
しかし今度はあちらがぎりぎり間に合った。俺の眼前を覆う壁。それを叩き壊した先には、既に敵の姿は忽然と消えている。
??「平和って、概念が、ない、の?」
背後で蹲りながら少女は言う。不気味な少女だ。暗い部屋の中でもわかる青白い肌、ぼさぼさの髪の毛、三白眼。やせぎすな体は触れれば折れてしまいそうなほどに華奢だが、決して美しいとは俺には思えなかった。
どの口が平和をのたまうのか。それを言っていいのは正義だけだ。真っ白い心を持っている人間だけだ。
俺だけだ。
詰襟「お前が『門外不出』か。家族を殺したな?」
詰襟「どうしてお前が殺したかなぞ俺は興味がない。情状酌量の余地など与えない」
詰襟「どうしてお前がここに導いたかもどうだっていい。狂人の戯言など聞くに値しない」
詰襟「悪は即ち切って捨てる」
詰襟「お前に求めることは何もない」
詰襟「覚悟さえもしなくていい」
詰襟「おとなしく俺に!」
跳ぶ。
目の前に悪がいる。それだけで胸がドキドキして、心がワクワクして、自然と口角が吊り上る。
世界のために貢献したという立証が、また一つ得られる。
詰襟「成敗されろ! はっはああああああぁっ!」
235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。