34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/18(金) 17:49:34.65 ID:xeDtmg+30
「わかち懶。
懶はライと読み、恐らくナマケモノのことでしょう。ナマケモノって樹懶と書きますしね。
本来ならばここで愚か者の阿良々木先輩にナマケモノに関する雑学を小説で言う50頁分くらい聞かせてあげたいんですが、今は急ぎですしやめておきましょうか。
簡潔に一言でまとめてしまうのなら、わかち懶は『夢と現実を入れ替える怪異』です。
正しく表すのならば夢と現実の比率を変える怪異、とでも言いましょうか。
主に大きな夢を持つ者が取り憑かれる傾向にあると言われていますが詳細は不明、です。
取り憑かれた者は最終的に、一日のほとんどを眠って過ごすようになるそうです――今の星井ちゃんのように。
このままでは星井美希にとっての現実は夢、夢は現実となり、永遠に眠り続けることになるでしょう。
その特性から別れ懶、分かち懶などとも呼ぶそうですね」
確かに、ここ一ヶ月ほどの星井は病気じゃないかと疑う程によく眠っていた。
さすがに仕事中や人目のある場所では起きていたが、事務所や待合室、果てには学校でも授業中に寝ていたらしい。
出会った頃からよく眠る子だとは思っていたが。
「わかち懶は宿主が眠っている間、一緒に眠りについて夢を見ます。
ここで問題になるのが、彼の夢は宿主の夢と共有しており、しかもその夢は現実において実現する、という点にあります。
つまり宿主――星井ちゃんの見た夢は現実において本物となる。
阿良々木先輩も心当たり、あるでしょう?」
扇ちゃんが指すのは、あの頭痛のことだろう。
あれは怪異が現実を強制的に修正した結果だ。
おにぎりを食べる夢を見た結果、僕に買わせることで実現させた。
僕自身に違和感を感じさせないまま、だ。
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