1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/23(水) 18:31:23.77 ID:cY40wa8X0
・モバマスss
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:32:47.15 ID:cY40wa8X0
「プロデューサーさんって冷たいですよね」
同僚として長らく共だってきた女、千川ちひろは休憩中の世間話の延長でそう持ち出してきた。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:34:53.71 ID:cY40wa8X0
「やっぱり、聞いてるんじゃないですか」
「………聞こえただけですよ」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:36:26.18 ID:cY40wa8X0
「自覚、ですか」
自覚。自分の状態などを自分自身でしっかり把握しているかという意味。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:38:15.37 ID:cY40wa8X0
「アイドルと仕事をする上で不自由な事態に陥ったことはありませんよ。それに、話し方なんて、普通に話しているだけじゃないですか」
「それは、そうなんですけど…」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:40:11.96 ID:cY40wa8X0
「…え? ああ、その…」
「別に怒ったりしませんから、率直な意見を聞きたいですね」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:42:03.89 ID:cY40wa8X0
「プロデューサーさんの担当で一番長い子って誰ですか?」
「…はい?」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:44:17.67 ID:cY40wa8X0
「肇ちゃんの事、どのくらい知っています?」
「そうですね…」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:46:10.00 ID:cY40wa8X0
「その、ですね…」
「はぁ」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/04/23(水) 18:46:33.09 ID:yKF1EfsK0
期待
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:48:08.48 ID:cY40wa8X0
俺は肇のことなんて何も知らなかったんだと気付かされる。
思えば肇とは仕事以外の話をした事なんて、片手の指で足りる程しかないだろう。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:50:47.42 ID:cY40wa8X0
「…肇と仲良くしろ、って事ですか?」
わからなかったから。だから、一番近そうな答えを提示してみる。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:52:29.75 ID:cY40wa8X0
俺は心の中ではしかめっ面。だけど表情は努めて冷静に保つ。変わらぬ口調で先程と一語一句同じ事を繰り返した。
趣味、年齢、容姿。そんな事は誰でも知っていると指摘された、俺としてはあまり掘り返したくない話題だった。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:54:31.16 ID:cY40wa8X0
そんなのは言葉の綾です。そう一蹴する事は容易だった筈。
だけど俺は言葉に詰まってしまう。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:56:10.39 ID:cY40wa8X0
「クールなのは結構ですけど、今のプロデューサーさんはただの冷たい人ですよ。肇ちゃんに気を遣ってあげないと」
「俺は肇にそんな事頼まれた覚えはありませんが」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 18:58:09.95 ID:cY40wa8X0
「っ………」
真直ぐに俺を見据えていた千川ちひろの瞳が一瞬揺らいだのを俺は見逃さなかった。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 19:00:40.90 ID:cY40wa8X0
「それでは、時間なので」
この話題はもう終わりだと、そんな意味を込めて手にした湯呑をこれ見よがしに煽った。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 19:02:19.66 ID:cY40wa8X0
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 19:04:25.33 ID:cY40wa8X0
「…今日の服装、良く似合ってるよ」
「え………?」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 19:06:16.30 ID:cY40wa8X0
肇は小さな口を開きかけたまま固まって、あっけにとられている様子だったが、徐々にその頬を朱に染め上げていく。
俺もつられて顔が熱を帯びていくのを、肇に背を向けて誤魔化していた。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/23(水) 19:08:08.18 ID:cY40wa8X0
その肇らしいと形容した服装だが、背を向けたまま褒めた所で、それは果たして効果があるのだろうか。
「事務所に帰りましょうか」
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