過去ログ - 貴音「昔より、もっと。もう一度」
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19: ◆ycDKV.3ZYU
2014/04/24(木) 00:37:13.96 ID:bmR1C5XAO
五頭竜は、このありさまを湖の中から目をむいて見まもっていた。
すると、天から美しい姫が紫の雲にのり、2人の童女をつれてしずしずと島におりてきた。
そのとき、どこからともなく美しい音楽が流れ、なんとも良き、香ばしい香りが漂ったと。
それを見た五頭竜は、思ったそうな。
『うぅむ、なんと美しい姫だ。よし、我が妻にむかえるぞ』
五頭竜は、波をかきわけて江島へ行くと、
『俺はこのあたりをおさめる五頭竜。美しき姫よ、汝を我が妻にむかえよう』
と、言ったそうな。
「なんと申す五頭竜。あなた様は田畑をおし流し、何の咎無き幼子まで飲み、あらんかぎりの罪を犯してきた。
天女は、そのような者の妻にはなりませぬ」
天女はそういうと、洞窟の中へはいってしまったと。
五頭竜は、すごすごと帰っていったが、つぎの日にまた江島へやってきた。
『天女よ、どうか許してほしい。これからは、心を改め村を護ろう。どうか信じてほしい』
天女は、五頭竜の固い心を信じて、静かにその手をさしのべたそうな。
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