7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:32:14.18 ID:K2Nf9gx50
「すみません……だから、あずささんの気持ちには応えられないです」
こんなに優しい人ですから、誰かに好かれていて当然なのに。
それでも私は、この人は運命の人だっていう確証もない女の勘なんかに頼りきりで。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:32:43.50 ID:K2Nf9gx50
「……あず」
「もし悩みがあったり、結婚の報告があったら……私に教えて下さいね?」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:33:11.50 ID:K2Nf9gx50
――
スマートフォンを取り出して、彼の写真を出してみます。
事務所のみんなで写った集合写真、彼と、その隣の律子さんを拡大して。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:33:38.75 ID:K2Nf9gx50
「律子さん、だったのね」
言われてみれば、そうだったような。
気づかせるためのパズルのピースはたくさん散らばっていたようにも思えました。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:34:17.21 ID:K2Nf9gx50
律子さんはやっぱり、同じプロデューサーという立場だから。
プロデューサーさんも惹かれたのかもしれません。
また駅に向かって歩き出そうとした時に、プロデューサーさんを振り切って事務所を出たことを思い出しました。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:34:59.56 ID:K2Nf9gx50
それに、恋愛相談に乗るといったのは私で。
相手が律子さんだと分からなくても、分かったとしても、ちゃんと聞かなきゃいけなかったのに。
後悔が少しずつ、新雪のように心に積もっていきます。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:35:26.43 ID:K2Nf9gx50
プロデューサーさんから、1通のメールが来ていました。
「『あずささん、突然報告してしまいすみません』……?」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:36:00.34 ID:K2Nf9gx50
「プロデューサーさん、お茶目だなぁ」
私はプロデューサーさんのことだけを考えていたけれど、あの人は私よりずっと大人でした。
あなたの瞳にはもう、律子さんしか映っていないんですね。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:36:29.73 ID:K2Nf9gx50
少しだけ、まだ少しだけ。
結婚すると聞いても、ほんのちょっぴりの心の空白が『チャンスはある』と侵食していきました。
でも、こんなプロデューサーさんを見てしまえば、奪うなんてことが出来るはずもないと分かります。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/25(金) 02:36:57.28 ID:K2Nf9gx50
何気なく思いついたことがあって、私は駅の方向に再び歩き始めました。
長い髪の間を冷たい風が通り抜けていくこの感覚は、アイドルを始めてからずっと存在していたもの。
なら、今までのプロデューサーさんへの恋心と一緒に。
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