13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/25(金) 21:04:11.84 ID:6I5S2gV60
「この……っ!」
水瀬が僕を引っぱたこうと振りかぶる。
くくく、無駄だよ水瀬。
僕は世界一の暴力陰陽師にフルボッコにされても心を曲げなかった男なんだぜ?
水瀬みたいな可愛いお手々から繰り出される程度のビンタじゃ僕の心に波紋を立てることすら――。
「はぶしっ!?」
吹っ飛んだ。
文字通り、僕は室内で一回転半した後に壁へと激突した。
事務所の皆が何事かと、逆さまになったまま壁の突っかけ棒と化した僕に視線を浴びせかける。
「あ、あら?」
僕を叩いた水瀬が一番怪訝な表情をしていた。
ひょっとしたら僕が水瀬をからかう為にわざと吹っ飛んだとまで思っているかも知れない。
そんな滑稽なアドリブが出来れば僕も一人前なのだが、さすがにそこまで人間離れした動きは僕には出来ない。
つまり、本気で水瀬のビンタで壁まで吹き飛ばされたのである。
壁が壊れなかっただけ僥倖と言えよう。
「な、な……」
「い、伊織ちゃん……その頭!?」
「頭……? な、何これ!?」
「水瀬――――」
僕は言葉を失った。
言語中枢を麻痺させる程の光景が、逆さまになった視界に映ったからだ。
水瀬の頭には、いつの間にか『猫耳が生えていたのだから』――。
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