10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/30(水) 19:58:18.49 ID:Jt/5r6cB0
「羽川さん、お仕事は何をなさっているんですか?」
失礼でなければ、と付け足して聞いてみる。
先ほど世界中を回っている、と言っていたから国際関係の仕事だというのはわかったが、詳細はまだわからない。
見た感じでは外資系のOL、という感じでもないし……イメージとしては翻訳家や科学者、というところだろうか。
「んん、私は……そうだね、言うなら何でも屋、かな」
「……何でも屋?」
「うん、NGOに所属しててね。発展途上国で難民キャンプで支援活動をしたり、あとはアマゾンで自然保護とか、奉仕活動とか……まあ、他にも色々と」
この間テロリストに銃を向けられたときはびっくりしたよ、なんて言い出す始末。
外見に似合わず中々にディープな人生を送っているようだった。
反応が追いつかずそうですか、なんて生返事をしてしまった。
うん……それならば何処かタフな雰囲気を出しているのも頷ける。
実際、彼女とお話をしていると言葉の端々から識見深さを思い知らされる。
「大変そうですね……」
「でも、好きなことをしているだけだから」
「あ、私は――――」
つらいなんてことはないよ、と羽川さん。
こちらから聞いておいて私は明かさない、なんてのも失礼だと思ったのだが、
「アイドル、だよね?」
「……あ……ご存知、でしたか」
先手を打たれてしまった。
本当に、人の思考を一手も二手も先回りする人だ。
「アイドルの秋月律子さん。有名じゃない」
「いえ、そんな……私はもうアイドル活動はしていませんし」
「今はプロデューサーをやっているんだってね?」
「そんなことまでご存知なんですか?」
普通、引退したアイドルなんて気に掛けないのが普通ではないだろうか。
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