6: ◆4flDDxJ5pE[saga]
2014/04/30(水) 20:18:28.22 ID:IFdEPb8do
アリスが日本に来てから数か月。
彼女は少しずつであるけれど、クラスの連中と打ち解けてきた。
固かった表情も次第に柔らかくなり、花のような笑顔も見せる様になった。
一方、播磨は相変わらず孤独である。
ただ、彼の心の中ではアリスに対する思いが強くなっていた。
(くう、今日も可愛いぜアリスちゃん!)
こんなことを考えている間、彼は無表情であり、サングラスに隠された瞳の思考を読み取れる者はいない。
というか、誰も彼の思考を理解しようとは思わなかった。
なぜなら彼は不良だから。
(しかし、こんなことをしていたのでは埒が明かないな)
播磨は足りない脳を使ってアリスとの関係が進展する策が無いか少しずつ考え始めていた。
いつまでも後ろの席から彼女の簪を眺めるだけの日々から卒業したい。
一言二言、声をかけるチャンスはあったけれども上手くモノにできなかった。
いや、たとえモノにできたとしても、その会話を上手につなぐことはできなかったであろう。
そもそも播磨は、女の子と付き合ったことはおろか、まともに友達づきあいすらしたことがなかったのだ。
人と仲良くなる方法など知る由もなかった。
(何とかしねェとな。このままじゃあ夏休みになっちまう)
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