過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」 2
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2: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/05/01(木) 03:02:47.02 ID:wiguRyO8o

しかし。

「ここも封鎖してんのかよ!?」

「……ねぇ、これって」

「…………」

嫌な空気が車内に広がる。
それでも、藁にもすがる思いで他の道も確認していく。

全滅。

やられた、と浜面が呟く。
彼が何を言いたいのか、それは上条にもよく分かった。

要は、初めからあの大型車両は囮だったのだ。
わざわざ拡声器でアピールする事で、あちらの存在を意識させる。
そうすれば、大型車両が通れないような狭い道を選択するのは当然といえば当然だ。

逃走ルートを誘導させたら、あとは単純。
ただ、予め配置してあった車両で出入口を塞いでしまえばいい。
狭い道が逆に仇となった形だ。

カランカラン、と軽い金属音が響き渡る。

すぐにそちらに目を向けてみると、何やら掌サイズの円筒がいくつも撒き散らされていた。
そこからはモクモクとした煙が吹き出ている。

上条は恐る恐る口を開く。

「……なぁ、これって催眠ガスってやつなんじゃねえの?」

「ぐぅ」

「ちょっと滝壺さん!? まだこっちまで煙来てませんよ!?」

浜面はそう言うが、もはや時間の問題だ。
こんな密閉された空間では、程なくして煙は充満する。
普通の煙であれば上空へ逃げてくれる事もあるだろうが、重い気体らしくそんな気配はない。

これで終わってしまうのか。
上条はぎりっと歯を鳴らす。何か、何か方法はないか。
そんな時だった。


ズドン! という轟音と共に、煙が一気に払われた。


「なっ……!!!」

目に入ってきたのは、眩しい程の純白の翼。
それはこの闇夜によく映え、空からの雪と相まって見る者の心を奪うようだった。

上条には見覚えのあるものだ。
科学の最先端を行く学園都市で、さながらお伽話のようなもの。
印象に残らないはずがない。

彼は、静かに振り返り、不敵な笑みを見せる。


「よう、助けに来てやったぜ」


垣根帝督。
学園都市で第二位の実力を持つ超能力者が、そこにいた。



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