過去ログ - 【咲SS】景子「折れた刃は錆びつかない」【越谷女子】
1- 20
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga age]
2014/05/03(土) 22:02:53.04 ID:0DAp6Rns0
 6

(ダメだ……何をしても弾き返される。まるで靄に包まれているみたいに、何も見えない。これを意図的にやっているのか? 本当になんなんだ、この阿知賀の大将は……)

 動かざること山の如し。

 阿知賀の大将――高鴨穏乃は、まさにそんな打ち手だった。

 彼女は、ただそこに在るだけで、この場の全てを支配していた。

(こいつは明らかに普通の人間じゃない。今年の一年だと、白糸台の大星と清澄の宮永が飛び抜けていると分析していたが、こいつは恐らく……その二人すら凌駕する。
 あの宮永照でも、本質的なところでこいつの支配を打ち消すことはできまい。いわんや私をや。参った……もう、打つ手がない)

 私は、特殊な力を持った人間に敏感な体質だった。私自身がそうであるからだと思う。

 だからこそ、敵チームの分析の際には、そういった視点から発言ができたし、独自の対策を練ることもできた。みんなからの評判は上々だった。

 もちろん、松実宥のように技巧に富んでいたり、新子憧のように純粋に技術レベルが高かったり、森垣友香のように突発的に豪運を発揮されたりすると、なかなか対策通りにはいかないのだが。

 ソフィア先輩以外は、マイナス収支。

 点数状況は非常に厳しい。

 それでも、私なら、逆転できると確信していた。

 劔谷も阿知賀も、ごくごく一般的な打ち手だと分析していたからだ。

 それは、半分正解で、半分は、不正解だった。

 阿知賀の大将――想定していた想定外すらも易々と超えていく、とんでもない魔物。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
40Res/32.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice