過去ログ - 両儀家の日常
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:38:08.41 ID:XEdR9lYn0


両儀式の場合




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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:38:59.65 ID:XEdR9lYn0
 とある日の午後、未那が部屋にやってきた。

「ねえお母さま、お願いがあるのだけど」

 私の隣にちょこんと座ると、小さな胸に抱えた本を差し出してきた。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:40:26.58 ID:XEdR9lYn0
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 数日前のこと。

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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:42:01.56 ID:XEdR9lYn0
 また幹也のいつもの悪い癖。そんなにあちこち誰も彼もに優しくしていたらキリがない。
 こっちは慈善事業をやってるんじゃないんだ。そう思って、私は幹也の言い分を無視したのだが―――まさか娘を使ってくるとは。
 未那がお願いすれば、私が言うことを聞くとでも思ってるんだろうか。


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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:43:48.53 ID:XEdR9lYn0
 久しぶりに訪れたそこは、相変わらずのボロビルだった。
 10年の時を経て、それはもう遺跡の類と呼んでもいいくらいの朽ちかけぶりを晒している。
 喧騒の中で進化していく街の光景とは真逆に、静かに老いていく灰色の壁。
 今さらながら、よくもこんなところに人が住んでいるものだと呆れる。

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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:44:48.78 ID:XEdR9lYn0
 いきなりの展開に、爆弾魔は目を白黒させた。

「興信所って、ちょっと待て……いえ、そうじゃなくて、あの、私は絵本作家としての仕事が……」

「絵本の仕事? うん、いいんじゃない。それぐらいだったらオレだって鬼じゃないし、副業くらいは許してやるよ」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:46:16.93 ID:XEdR9lYn0


硯木秋隆の日常


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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:47:38.07 ID:XEdR9lYn0
 私の名前は硯木秋隆。両儀家の秘書を務めている。

 現在両儀家の当主となっている式お嬢様が10歳の頃からお仕えし、それからかれこれ20年。
 現在は秘書の職務に加えて、式様のご息女である未那さまの養育係を仰せつかっている。
 先代の式お嬢様に比べて、未那さまは非常に素直で明朗快活な性格で、幼いころから誰にでも好かれる子供だった。
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:49:26.99 ID:XEdR9lYn0
 大体この家は、代々育児方針が大雑把……いや、おおらか過ぎるのが玉に傷である。
 先代の御当主も式様の行動には一切干渉しないという主義で、式様の深夜徘徊も黙認されていた。
 だが子供の自主性を育てるとは聞こえがいいが、何かあった時に後始末に追われるのは世話役の私の方なのだ。
 家に戻ってきた式様の着物にべったりと付いた血痕を密かに洗濯し、しみ抜きを行っていたのだって一度や二度ではない。
 普通、ちょっと散歩に出かけて血まみれで帰って来るなんていうのは明らかに異常というか、警察に即通報レベルだが、両儀家ではそれが『日常』であった。
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/05(月) 12:50:24.62 ID:XEdR9lYn0
 いや、正直彼自身はそれほど胡散臭い人物というわけではないのだが。
 なぜか未那さまは、あの男をひどく気に入っているのである。


「ごめんなさい秋隆さん。わがまま言ってしまって」
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