過去ログ - トール「フィアンマ、か。……タイプの美人だ」
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113: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/06/07(土) 22:26:17.31 ID:7eE3JAEj0

「一目惚れなんだ」

(何も覚えてなくたって、)

言って、彼はその場に片膝をつく。
慣れない気障な素振りで、花束を差し出した。
理由はわからないが、今にも泣きそうな彼女に。

「だから、その、」

(お前を知らなくたって、)

言葉が出てこない。

「結婚を前提に、」

(知ることが出来なくたって、)

息が苦しい。
心臓が限界まで高鳴っている。

「………俺と、付き合ってくれ」

(俺はお前のことを好きになるよ)

彼女は震える手で花束を受け取り、ぎゅう、と抱きしめた。


『またな、フィアンマ。何処かで、必ず』


その顔は赤く、泣きそうで、でも、笑顔だった。

トールがこの世界で一番愛おしいと思う、彼女に最も似合う笑顔だった。

幸せそうな、泣き笑いの顔だった。

「ああ、………贈り物か。
 何も知らなくても、きっとまた…すきに、………」



花束を握り締めたまま、彼女はトールを見つめ。
変わらないアイスブルーの美しい瞳を見据えながら。
世界中で最も幸せそうな女の子の顔で。









                               「――――――――喜んで」


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