過去ログ - 千早「私の答え」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:51:31.47 ID:5pdovTaho

「萩原さんは、強いわよね」

 何を言っているんだろう、という瞳で見つめられる。
 さっきまで浮かべていた薄い微笑みは、やっぱり無理をしていたもの?
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:53:05.67 ID:5pdovTaho

「うん。だって、私はまだ『こうだったらいいな』って、思っちゃってるから。
 春香ちゃんが、ひょっこり給湯室から顔を出して、照れ笑いをするって」

「……」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:53:39.19 ID:5pdovTaho

「ふたつ、お願いできる?」

「はぁーい。ちょっと待っててね」

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:54:49.49 ID:5pdovTaho

 無音。雪が積もって、溶ける少し前のような、空気だけが伝わる室内。
 萩原さんがテーブルにコーヒーカップを置いてくれる。

「もう、お砂糖は入れてあるからね」
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:55:54.53 ID:5pdovTaho

 私はコーヒーを飲むとき、必ずお砂糖ふたつを入れるからね――って。
 あの時の春香の言葉が、そのまま脳内にリフレインして、止まらなくなる感じ。

 反響していた言葉は、やがて春香というひとつの存在に変わっていく。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:56:53.63 ID:5pdovTaho

「ごめんなさい、大丈夫」

「千早ちゃん、コーヒー飲めなかったっけ」

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:57:19.23 ID:5pdovTaho

「春香ちゃんの?」

「ええ。春香が亡くなる2日前、私……相談を受けたのよ」

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:57:49.95 ID:5pdovTaho

 あいまいな言葉でなんとなく濁してしまう。

「春香ちゃん、なんて言ってたの?」

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:58:25.81 ID:5pdovTaho

「つらい?」

「……春香、少し前からボーカルレッスンの先生を変えたの」

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 01:59:25.69 ID:5pdovTaho

 春香がなぜ先生を変えたのかは分からない。
 知らないトレーナーだったし、彼女の弱点だった音程を克服する何かを持っていたのかもしれない。

「その先生と、うまく合わなかったみたいで」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/08(木) 02:00:10.35 ID:5pdovTaho

 春香をそこまで追い込んだ、そのトレーナーを私は恨んだ。
 彼女の元気で優しいという取り柄を、ここまで奪ってしまう人がいるものだろうか。

「でも、春香が一番悩んでいたのは、歌のこと」
以下略



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